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エピクテトス

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提要[36]

「昼なり」又た「夜なり」との両句が相対峙して用いらるれど、「昼なり故に夜なり」など連結的に用いらるることなきが如く、宴会の席に於いても之に似たることあり。
即ち食物の大なる切を取ると取らざるとは肉体に向いては蓋し何等かの意味あらんなれど、宴会の和気靄靄たる団欒に取りては何等の違いあらざればなり。
故に他人の宴会の客とならば、汝は記憶すべし“肉体に対する食物の価値のみに気を付けることなく、宴主に対して負える客たるの心掛けに気を付けざるべからず”とのことを。

現代語訳・抄訳

昼と夜とは対で用いられることはあるが同じ意味を為さぬように、宴会の席においても同様のことがある。
即ち、食物をたくさん食するか否かは肉体においては何等かの意味はあるけれども、宴会の和気藹々とした団欒においては何等の違いもない。
故に他人の宴会の客となったのであれば、“肉体に対する食物の価値にのみ気を付けることなく、宴主に対して負うべき客たるの心掛けにも気をつけなければならない”ということを覚えておかなければならぬ。

出典・参考・引用
エピクテ-ト著・斎木仙酔(延次郎)訳「修養訓」48/105
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