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エピクテトス

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提要[34]

或る一の肉体的の欲望が汝が念想に現れたら、凡ての他の肉体的の想像に於けると同じく、之から心を奪われてはならぬ。
汝は暫時之が実行を延ばし、熟考の間を得、事件の両端を考ふるが良い。
両端とは汝が享くる快楽其の物と、快楽の後ち生ずる後悔痛恨とである。
之に対して、若し汝が之を控ふれば、如何に汝は喜ばしく、また自分を讃むるであろうかを比較し考ふるが良い。
それでも之を為すこと差し支え無しと見るも、之が妙味快楽から心を奪われぬよう注意し、之に克ったといふ意識が、どれほど優って居るかを考ふるが良い。

現代語訳・抄訳

肉体的な欲望が芽生えたのならば、他の場合におけると同じようにそれに心を奪われてはならない。
お前はしばし欲望の実行を延ばし、熟考するの時を得て、その事項における両端を考えよ。
両端とはお前が受ける快楽そのものと、快楽を実行した場合に生ずる後悔痛恨とである。
もしも欲望に打ち勝ったならば、どれほど心中喜ばしく自讃を禁じ得ぬであろうかを比較して考えるのだ。
その結果、欲望を実行することが差し支えないとするならば、お前はその快楽に魅惑されぬよう注意し、誘惑に打ち克ったという意識が、どれほど偉大であるかを考えるがよい。

出典・参考・引用
カ-ル・ヒルティ著・平田元吉訳「幸福」54/190
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