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勝鬘夫人

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勝鬘経-十大受章[3]

世尊、我れ今日より乃ち菩提ぼだいに至るまで、正法しょうぼう摂受しょうじゅして終に忘失せず。
何を以ての故に、法を忘失する者は、則ち大乗を忘る。
大乗を忘る者は、則ち波羅蜜はらみつを忘る。
波羅蜜を忘る者は、則ち大乗を欲せず。
若し菩薩ぼさつの大乗を決定けつじょうせざる者は、則ち正法を摂受せんと欲するを得る能はず、所楽しょぼうに随ひて入り、永く凡夫の地を越ゆるに堪任かんにんならず。
我れ是くの如き無量の大過を見、又た未来に正法を摂受する菩薩ぼさつ摩訶薩まかさつの無量の福利を見、故に此の大受を受く。

現代語訳・抄訳

世尊よ、私は今日より菩提に至るまで、正法を摂受して忘れぬことを誓いましょう。
なぜなら、正法を忘る者は菩提に至るべき道たる大乗を忘失し、大乗を忘る者は、波羅蜜を忘れることとなりましょう。
波羅蜜を忘るれば、大乗を欲することはありません。
もし、悟りを求める衆生に大乗を信じきれぬ者は、正法を摂受せんと欲することもなく、諸々の享楽に耽って凡夫たることを越えることができぬでありましょう。
この心を失いしは無量の大過となり、この心を存する菩薩摩訶薩は無量の福利を得るものです。
私は必ずや正法を摂受して違わぬことを誓いましょう。

出典・参考・引用
加藤咄堂著「勝鬘経物語」41-42/131
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出典
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語句解説

菩提(ぼだい)
覚、智、道。修行を積んで煩悩を断ちきり、真理を到達する境地。悟り。また、仏果を得て極楽に往生すること。
正法(しょうぼう)
正しい仏法。仏の説いた正しい教え。「しょうほう」とも読む。
波羅蜜(はらみつ)
迷いの世界から悟りの世界へと至ることの意。
菩薩(ぼさつ)
覚りを求める衆生。「菩」は普(あまね)し、「薩」は済度の意をもつ。
決定(けつじょう)
信じて疑わないこと。確信する様。
摩訶薩(まかさつ)
偉大な衆生のこと。「摩訶」は大きい、優れているの意で、「薩」は済度、すくう意がある。
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