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孔子

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論語-憲問[11]

子曰く、
孟公綽もうこうしゃく趙魏の老たるに優れり、以て滕薛とうせつの大夫と為す可からず。

現代語訳・抄訳

孔子は云った。
孟公綽という人物は大国の晋の六卿たる趙や魏のような家老とすれば、大きく構えて事を処して行くが故に見事にこなすであろう。
されども、滕や薛のような小国の大臣では煩雑な職務が多い故に彼には合わないであろう、と。

出典・参考・引用
久保天随「漢文叢書」第1冊433-434/600
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備考・解説

久保天随「漢文叢書・第1冊」には解説として以下のような文がある。
趙魏の老なれば優なりというも、その大夫に優ならざることを知るべきである。
また、孟公綽は魯の大夫であるが、滕薛の大夫となすべからずというなれば、魯の大夫となすべからざることは明らかである。
人の材智器量は各々宜しきところありて、孟公綽の人品は大夫の下の家老に用いれば、趙魏の如き大国の上卿の家の家老となっても、諸侯の事に預からざるが故に大いに為すであろう。
孟公綽はもともと家老としては余りある程の人物である。
だが、彼を大夫として用いる時は、滕薛の如き小国であろうとも、その政務は煩多にして征伐の事や外交の事など迅速に為さねばならぬことが多々生ずる。
能く煩を治め劇を理むるの材を備える者でなければ大夫の役に当たるべきではない。

語句解説

孟公綽(もうこうしゃく)
孟公綽。魯の国の大臣。無欲にして清廉な人柄だったとされ、孔子はその人柄を敬った。
趙魏の老(ちょうぎのろう)
趙と魏は晋の大臣の家柄で、老とは家臣団の長を指すと思われる。
滕薛(とうせつ)
どちらも当時の小国の名前。
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