酔古堂剣掃-醒部[91]
原文
處事不可不斬截。存心不可不寛舒。持己不可不嚴明。與人不可不和氣。
書き下し文
事を処するには
現代語訳・抄訳
事を処するには果断果決、心を存するには寛大寛容、己を持するには厳酷精明、人と共にするには和気藹々。
- 出典・参考・引用
- 塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」28/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」28/385
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備考・解説
果断果決は無謀ならずして、見識胆識あるをいう。
寛大寛容は天の普く照らし、地の万物載して動ぜざるが如し。
厳酷精明は己に克ち礼に復ると同じ。
孔子曰く「礼に非ざれば視ること勿れ、礼の非ざれば聴くこと勿れ、礼に非ざれば言こと勿れ、礼に非ざれば動くこと勿れ」と。
和気藹々は身体の調和せるが如し。
王陽明曰く「目は視、耳は聴、手は持、足は行、以て一身の用をなす」と。
相交わりて他を避けず、害せず、望まず、各々その能を致すが故に、よく調和をなす。
真の道は自己胆中の事。