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酔古堂剣掃-醒部[64]

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原文

沾泥帯水之累。病根在一戀字。随方逐圓之妙。便宜在一耐字。

書き下し文

でいうるほひ水をぶのるいは、病根、一の恋字れんじに在り。
ほうに随ひ円をふの妙は、便宜べんぎ、一の耐字たいじに在り。

現代語訳・抄訳

執着して已まざるの病根は、一に恋の字に在り。
万変窮まらざるの妙用は、一に耐の字に在り。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」25/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」22/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

でいうるほうも、水をびるも、どちらも「どうでもいいものに戯れる」ようなものか。
古人曰く「泥に沾ひ水を帯び、明らかに知り得れども断割する能はざるのみ」と。
方に随ひ円を逐ふは、水の方円に随うと同様、方形(四角)にも随い、円形にも為るといった意味であろう。
恋しく思って貪るからどうでもいいものに執着し、耐え忍びて時宜を待つからこそ全てとその帰を一にす。

語句解説

便宜(べんぎ)
物事をするのに都合がよいこと。
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