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酔古堂剣掃-醒部[61]

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原文

良心在夜氣清明之候。眞情在簟食豆羹之間。故以我索人。不如使人自反。以我攻人。不如使人自露。

書き下し文

良心は夜気やき清明せいめいこうに在り、真情は箪食たんし豆羹とうこうの間に在り。
故に我を以て人にもとむるは、人をして自反じはんせしむるにかず。
我を以て人を攻むるは、人をして自らあらはさしむるにかず。

現代語訳・抄訳

人の良心は夜の物静かな頃にあらわれ、人の真情はわずかな食べ物の間にもあらわれる。
故に我を以てその良心に気付かせることは、その人自身が省みることに遠く及ばない。
我を以てその情の動きを責めることは、その人自身が吐露して気付くことに遠く及ばない。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」24/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」22/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

夜気清明は孟子・告子上。
人が良心を放溺するのは自ら失っているだけであり、少しでもその心を養うを得れば生長せざる無し、とある。
故に人に気付かされるのではなく、自反こそが最良の道だと述べる。
箪食豆羹は孟子・尽心章句下。
名を惜しむ者は千乗の国をも譲るが、そうでない者は箪食豆羹にも色をあらわす、とある。
故に人に責められるよりは、くだらないことで動く自分の感情を覚らせることが最良の道だと述べる。

語句解説

簟食(たんし)
竹で編んだ器に盛られた食料。
豆羹(とうこう)
豆のあつもの。ほんのわずかな量の羹(あつもの)。
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関連リンク

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