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酔古堂剣掃-醒部[46]

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原文

多情者。不可與定妍媸。多誼者。不可與定取與。多氣者。不可與定雌雄。多興者。不可與定去住。

書き下し文

多情の者は、とも妍媸けんしを定む可からず。
多誼たぎの者は、与に取与しゅよを定む可からず。
多気の者は、与に雌雄を定む可からず。
多興たきょうの者は、与に去住きょじゅうを定む可からず。

現代語訳・抄訳

人情に過ぎる者は、共に賢愚を図るには足らない。
好誼こうぎに過ぎる者は、共に賞罰を図るには足らない。
感情に過ぎる者は、共に得失を図るには足らない。
興味に過ぎる者は、共に進退を図るには足らない。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」23/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」18/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

多情の極みは寡情、好誼に過ぎれば雑駁となり、感情のままに事を為せば必ず破れ、興味に過ぎれば進退拠り所を失う。
過ぎたるは猶ほ及ばざるが如し。
大音は希声、大象は無形なるを知るべし。
なお、雌雄は「雌雄を決する」と用いるように、明らかにすること、転じて優劣を定めることだが、今回は、得失を図る、として事功を共に為すには足らない意に採った。

賢愚を図って登用し、賞罰を図って抜擢し、得失を図って事を為し、進退を図って権を終う。

語句解説

妍媸(けんし)
妍蚩。美醜。好悪。
好誼(こうぎ)
親しみ。好意の交際。親切。
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