酔古堂剣掃-醒部[45]
原文
結想奢華。則所見轉多冷淡。冥心清素。則所渉都厭塵氛。
書き下し文
現代語訳・抄訳
想いを結ぶところ奢侈にして華美ならば、その見るところ全て満足せず。
心を致すところ清浄にして素朴なれば、その行うところ全て利欲を厭う。
- 出典・参考・引用
- 塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」22/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」17/385
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備考・解説
紂王、象牙で箸を作し、箕子、嘆じて曰く「象牙で箸を作れば、これに釣り合わんと食器もまた豪奢となる。更には食事も贅沢をし、衣服も美麗になるだろう。どんなに天下に財があろうとも足りるものではない」と。
心を外面に馳せる者は至らざるところ無し。
語句解説
- 奢華(しゃか)
- 派手なこと。奢り飾ること。
- 冥心(めいしん)
- 沈思すること。冥は奥深い意がある。
- 塵氛(じんぷん)
- よごれた空気。けがれた気分。氛(ふん)は気、雰囲気。多く妖しい気をいう。
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