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酔古堂剣掃-醒部[6]

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原文

市恩不如報徳之為厚。要誉不如逃名之為適。矯情不如直節之為眞。

書き下し文

恩をるは、徳に報ゆるのこうたるに如かず。
ほまれもとむるは、名を逃るるのてきたるに如かず。
情をむるは、せつなほくするのしんたるに如かず。

現代語訳・抄訳

恩を売るは、人より与えられた恩徳に報いることの厚きに遠く及ばない。
誉を求めるは、世間の称賛より逃れることの適切なるに遠く及ばない。
情を矯正するは、その節操を正して心より直くするに遠く及ばない。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」17/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」9/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

恩をるは、心からそうして与える恩ではなく、所謂「恩を着せる」もの。
市は現代で市場などと使われるように、功利の面がある。
名を逃れるは、往々にして世間の誉れは的を得ず、故に世俗の毀誉褒貶は意に介さずして悠々自適なるをいう。
情を矯めるの「矯」は「いつわる、もとる」など無理に行う意味がある。
即ち、人情に沿うように“強いて”矯正するのである。
強いて矯正しても心が従わざれば表面を飾るに過ぎず、故にその節を直して真に至らしめるを宜とす。

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