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酔古堂剣掃-醒部[2]

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原文

倚高才而玩世。背後須防射影之蟲。飾厚貌以欺人。面前恐有照膽之鏡。

書き下し文

高才にりて世をもてあそべば、背後すべからく影を射るの蟲を防ぐべし。
厚貌こうぼうを飾りて以て人を欺かば、面前めんぜんおそらくはたんを照らすの鏡有らん。

現代語訳・抄訳

自らの才ばかりを頼りにして世を軽んずれば、よくの如くに背後より害を為す者が現れるであろう。
外面を飾って人を欺けば、咸陽宮かんようきゅう方鏡ほうきょうが目の前にあるが如く、いずれはその心底を見透かされるであろう。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」17/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」8/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

咸陽宮かんようきゅうには高さ五尺九寸の方円の鏡があったという伝説がある。
表裏洞明にして人をこれに照らせば、腸胃五臓が透けて見え、邪心ある者は胆が張り、心臓の乱れが分かったという。

語句解説

蜮(よく)
いさごむし。水辺に潜む怪物の名。三足で砂を含んだ水を吹きかけて人を害し、当たれば死に至るという。射工(しゃこう)、射影、短狐(たんこ)、短弧(たんこ)。
厚貌(こうぼう)
実直な容貌。顔つきが親切な様子。
咸陽宮(かんようきゅう)
戦国時代に秦の孝公によって築かれた宮殿。秦の都である咸陽に存在したが、秦滅亡時に項羽によって焼き払われた。
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