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酔古堂剣掃-法部[106]

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原文

天地倶不醒。落得昏沈酔夢。洪濛率是客。枉尋寥廓主人。

書き下し文

天地ともさめず、昏沈こんちん酔夢すいむに落ち得たり。
洪濛こうもうおほむね是れ客なり、げて寥廓りょうかく主人をたづぬ。

現代語訳・抄訳

天地共に醒めず、昏く沈んで酔夢の間に落ちてしまった。
この洪濛こうもうなる状態もどうせ客に過ぎないのだから、さっさと天にいる主人を尋ねよう。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」215/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」345/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

洪濛の意は不詳。
洪はおおきい、広大。洪淵で広く深い、洪業で帝王の業、洪範で大法。
濛はおおわれてくらいこと。濛濛でたちこめるさま。
注釈には「天地自然の元気なり」とあるが、釈然としなかったので字句から解して「混沌」の意で訳した。
昏迷した世相を憂えたものとして意訳すると以下のようになる。
世の中はまるで明け方の薄暗い頃のように目覚めておらず、人々は夢見心地で我を忘れている。
でもそんな混沌とした状態もきっとみんなが気付いていないだけなのだから、天に頼んでこれを醒ましてもらおう。
なお、枉には無理に事を運ぶ意がある。

語句解説

昏沈(こんちん)
真っ暗なこと。昏く沈む。
寥廓(りょうかく)
ひろびろとして大きいこと。広大でむなしいこと。度量の広いこと。
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