酔古堂剣掃-法部[102]
原文
水滸傳何所不有。却無?老一事。非關缺陥。恰是酒肉漢本色如此。以此益知作者之妙。
書き下し文
此れを以て
現代語訳・抄訳
水滸伝に足らぬものなどあるだろうか。
ただ長寿を思うの一事無し。
これは欠陥ではない。
豪放磊落な男達の、意気な心を示すのみ。
これを以てますます作者の妙を知る。
- 出典・参考・引用
- 塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」214/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」344/385
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備考・解説
酒肉漢は酒を好み肉をほおばる漢の意に採った。
酒も肉も欲望を旨とするから、些事末節などは意に介さぬ野人的豪傑達のことであろう。
日本でいえば任侠の輩か。
語句解説
- 水滸伝(すいこでん)
- 明代の小説で施耐庵(したいあん))の作。四大奇書の一。梁山泊に集う豪傑108人の興亡を描く。
- ?老(しろう)
- 詳細不明。注釈に「?(石+史)は石の名。長寿の義」とある。
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関連リンク
- 豪放磊落
- 度量が大きく、細部にこだわらない様。