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酔古堂剣掃-法部[96]

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原文

市私恩。不如扶公議。結新知不如敦舊好。立榮名。不如種隱徳。尚奇節。不如謹庸行。

書き下し文

私恩しおんるは、公議こうぎたすくるに如かず。
新知しんちを結ぶは、旧好きゅうこうあつくするに如かず。
栄名えいめいを立つるは、隠徳いんとくうるに如かず。
奇節きせつたつとぶは、庸行ようこうつつしむに如かず。

現代語訳・抄訳

私事で恩をうることは、公共の事を助けるに遠く及ばない。
新しい友を得ることは、親しき友を大切にするに遠く及ばない。
世に名を立てることは、ひそかに徳化するに遠く及ばない。
飛び抜けたるを貴ぶは、日々の行いを大事にするに遠く及ばない。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」214/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」343/385
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古典
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語句解説

庸行(ようこう)
素行。日頃の行い。平素の行い。分に応じた行い。
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