酔古堂剣掃-法部[90]
原文
欲做精金美玉的人品。定從烈火中煆來。思立掲地掀天的事功。須向薄冰上履過。
書き下し文
現代語訳・抄訳
精錬された金や輝くほどに磨かれた玉のような、他に類をみない程の人品にならんと欲するならば、烈火の中より鍛え来たるべし。
地に掲げ、天に達するほどの事功を立てんと欲するならば、常に薄氷を踏むが如くに戦戦兢兢たるの志を存すべし。
- 出典・参考・引用
- 塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」212/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」341/385
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備考・解説
精金は精錬された金、美玉は磨かれた玉。
尋常ならざる物を以て大なる人品たらんことを示す。
烈火中は人でいえば艱難困苦の類。
掲地は地上に永遠と示される程のもの、掀天は天をも感じさせる程のもの。
薄冰上は詩経に「戦戦兢兢、深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」とあるように敬謹して私せざること。
一般に解される戦々恐々の意とは大きく異なる。
関連リンク
- 戦々恐々
- おそれて浮き足だつ様。緊張してびくびくすること。非常におそれる様…