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酔古堂剣掃-法部[89]

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原文

高明性多疎脱。須學精厳。狷行常苦拘時。當思圓轉。

書き下し文

高明こうめいの性は疎脱そだつなること多し、須らく精厳せいげんを学ぶべし。
狷行けんこうは常に時にこうするを苦しむ、当に円転えんてんを思ふべし。

現代語訳・抄訳

世を超脱するの者は他を顧みざること多し、常に精密謹厳なるを学ぶべし。
厳密なるに過ぎたる者は常に拘泥して性を損ず、当に円転窮まりなきところを思うべし。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」212/315,笹川臨風(種郎)校「酔古堂剣掃訳註」341/385
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

高明は高く明らか、即ち一般より抜け出ている者。
あまりに大なる者は細部に拘らぬが故に、知らず知らずのうちに衆人からすればいいかげんとなる。
故に厳密にして収めるを学び、一般から遊離することなくして処すべきをいう。
狷行は一般よりも自己を守ること固く、妥協せざる様。
どうでもいいところまで妥協せずに厳密にすれば人心離れ、窮屈なだけで安らかならず、遂にはその性をも失う。
故に円転窮まらざるところを思い、寛容を忘れず。
いずれもその本性を以て足らざるところを補い、中庸ちゅうようすべきを説く。
その本性を変ずるに非ず、必ず本性を補うに過ぎず。

語句解説

狷行(けんこう)
狷介な行い。自ら守って妥協しないこと。
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