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孝経[閨門]

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原文

閨門之内。具禮已乎。嚴親嚴兄。妻子臣妾。猶百姓徒役也。

書き下し文

閨門けいもんの内、禮をそなへたるかな、しんたっとけいを厳ぶ、妻子臣妾しんしょうは、百姓ひゃくせい徒役とえきごときなり。

現代語訳・抄訳

家に在りても礼を失せず、親を貴ぶは君につかえるの基となり、兄を尊ぶは長につかえるの基となる。
妻子は国にあっては役人のごとく、臣妾しんしょうは国あっては人夫のごとし。

出典・参考・引用
中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」65-66/88
関連タグ
孝経
曾子
古典
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備考・解説

君はその臣に礼儀を失せず、尊厳を侍してこれに接す。
故に臣は心に感じて忠を尽くし、忽せにすること無し。
熊澤蕃山曰く、
妻子は恩に狎れ、愛を恃みて奢り易し、主人、慈を厚くして礼儀正しき時は、和して奢らず、と。
その国を去りて後も喪に服するは、その恩義に感ずればなり。
人夫を使うは時を失わず、君の慈愛に心安し。
故に民は心に感じてその身を勤め、忽せにすること無し。
熊澤蕃山曰く、
臣妾は遠ければ、おろそかにて恨み易し、主人、恵み細かにして、其の所を得せしむれば、中心悦んで服従す、と。
治国平天下の要は、一家の治迹に出でざるは無し。

語句解説

閨門(けいもん)
内室の門。寝室の出入り口。宮中の小門。
臣妾(しんしょう)
召使い。人に服従する者。
百姓(ひゃくせい)
百官と同じで、役人。古代には官についたものに姓を賜ったという。
徒役(とえき)
使用人。人夫として使われる者。労役に服する者。
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