熊沢蕃山
孝経小解-廣至徳[2]
大雅、
君子は道徳を楽しんで、
父母の子における、よく養育し、よく師友をとる。
君子の民における、政を以て富足らしめ、教へを以て善に導く。
凡人は身に富貴あるを楽とし、家は災害なきを
富貴を欲する者は、険を行って幸をもとめ、険を行って幸をもとむるは、災害をまねく基なることをしらず。
君子は無事を行へり、無事を行ふものは易きに居て命を俟つなり。
孝を以て天下を治むるにあらずば、天下の衆生を和順すること、かくのごとく大ならんや。
其の他の広大を見て、孝の至徳たる道理を知るなり。
- 出典・参考・引用
- 中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」60-61/88
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