酔古堂剣掃-法部[74]
原文
胸中落意氣兩字。則交游定不得力。落騒雅二字。則讀書定不深心。
書き下し文
胸中意気の両字に落つれば、則ち交遊定めて力を得ず。
現代語訳・抄訳
胸中に重んずるところ、気概ばかりを主とすれば、友に交わるも人情を得ず。
楚辞や詩経ばかりを主とすれば、読書をするも心に達せず。
- 出典・参考・引用
- 塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」211/315
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備考・解説
騒雅は楚辞や大雅・小雅をいう。
大雅、小雅は詩経の篇名。
詩は風流にして心を大ならしむるも、耽溺すれば道を得ず。
気概を持して事に当たり、風流に適いて人に交わる、故に万事において通ぜざる無し。