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酔古堂剣掃-法部[30]

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原文

事係幽隠。要思回護他。著不得一點攻訐的念頭。人属寒微。要思矜禮他。著不得一毫傲睨的気象。

書き下し文

事、幽隠ゆういんかかれば、回護かいごするを思ふを要す。
一点の攻訐こうけつ念頭ねんとうけ得ず。
人、寒微かんびに属せば、矜禮きょうれいするを思ふを要す。
一毫いちごう傲睨ごうげいの気象を著け得ず。

現代語訳・抄訳

事が人の秘事に当たったならば、これを護りかばうを思うを要す。
少しのあばかんとする心も抱いてはならない。
人が貧賤にあらば、これを敬い貴ぶを思うを要す。
少しのおごり高ぶる態度も示してはならない。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」206/315
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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語句解説

幽隠(ゆういん)
暗く静かなこと。奥深く隠れていること。
回護(かいご)
かばいまもること。その人の立場が悪くならないようにすること。庇護。
攻訐(こうけつ)
あばくこと。
寒微(かんび)
寒陋。卑賤。貧しく身分の低いこと。
矜礼(きょうれい)
敬い礼遇すること。矜は仮借の多い字で、敬と通じる意味を持つ場合がある。
一毫(いちごう)
ほんの少し。ほんのわずかであること。毫は細い毛の意。
傲睨(ごうげい)
傲倪。尊大に振舞うこと。
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