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翟灝

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通俗編-地理[覆水難收]

鶡冠子かつかんし
太公既に斉侯に封ぜらる。
道に前妻に遇ひ、再拝し合せんことを求む。
公、盆を取りて地に覆ひ、之をおさめしむるに、だ少泥を得るのみ。
公曰く、誰か言ふしてた合す、覆水定まりて収め難しと。
・後漢書光武帝紀
かへりて収まらず、後悔及ぶ無し。
・何進傳
覆水収まらず、宜しく之を深思すべし。
・李白詩
雨は上天に落ちず、水覆ひて再び収め難し。

現代語訳・抄訳

・鶡冠子注
太公望は斉侯として封ぜられた。
ある日、太公望が道を往くと前妻の馬氏に出会った。
馬氏は太公望に丁寧にお辞儀をすると、復縁することを願った。
太公望は、おもむろにお盆を取って中の水を地面にこぼし、これを再び元に戻せたら望みに応じようと答えた。
馬氏は一生懸命に水をすくったが、得られたのはわずかばかりの泥であった。
太公望曰く、
かつて誰かはこのように云った。
一度離れて再び一緒となる、一度こぼれた水を再び元に戻すことのように難しい、と。
・後漢書光武帝紀
こぼれた水は戻らない、後悔しても既に遅いのだ。
・何進傳
こぼした水は戻らない、これをよくよく熟考するのだ。
・李白詩
上天に雨は降らない、水こぼれて再び収め難し。

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出典
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語句解説

太公望(たいこうぼう)
太公望。呂尚。周の武王を補佐して殷の紂王を討伐。師尚父と尊称される。後に斉に封ぜられて始祖となる。また、中国における軍師の始祖。
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関連リンク

太公望
紀元前11世紀頃に周の軍師として活躍した呂尚の呼称。周の文王、武王…


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