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十七条憲法[第十二条]

原文

十二曰。國司國造。勿歛百姓。國非二君。民無兩主。率土兆民。以王為主。所任官司。皆是王臣。何敢與公。賦歛百姓。

書き下し文

十二に曰く、
国司（こくし）・国造（こくぞう）、百姓を歛（れん）すること勿れ。
国に二君非（な）く、民に両主無し。
率土（そつど）の兆民、王を以て主と為す、任ずる所の官司（かんし）は、皆な是れ王臣なり。
何ぞ敢へて公と与（とも）に、百姓を賦歛（ふれん）せんや。

現代語訳・抄訳

第十二条
地方官は、百姓から勝手に税金を取り立ててはならない。
国に二君なく、民に二人の主なし。
あらゆる国民は、天皇を主となし、任ずるところの役人は、皆な天皇の臣である。
どうして公事の他に、百姓から私税を取り立てることができようか。

出典・参考・引用

高島米峰著「十七条憲法略解」13/19,安岡正篤著「人生の大則」214/318

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十七条憲法

聖徳太子

古典

語句解説

国司（こくし）

くにのつかさ。地方官。中央から諸国に赴任して郡司などを統率して一国の政治を司った。

国造（こくぞう）

地方の豪族が朝廷から任命されてその土地を治めることを認められた地方官。代々世襲し、大化の改新後は、地方神祇官となって行政には関与せず、祭祀に関与する職になった。

歛（れん）

かん。多く租税を取り立てること。ものほしそうにすること。ねがう。

率土（そつど）

地の続く限り。国の果て。率はしたがう意。

兆民（ちょうみん）

万民。多くの民。

賦斂（ふれん）

租税を課してとりたてること。また、無理に税をとりたてることにも用いる。