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酔古堂剣掃-法部[5]

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原文

世多理所難必之事。莫執宋人道学。世多情所難通之事。莫説晉人風流。

書き下し文

世には理のひつし難き所の事多し、宋人の道学を執ること莫れ。
世には情の通じ難き所の事多し、晋人の風流を説くこと莫れ。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」202/315
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

宋人の道学は、朱子等の一草一木にも理ありの心。
一物一物の理を窮めてすべてに通ずる理を得る学をいう。
万全通ずれば真理に一なれども、半ばなる者は理にこだわりて人情に背くこと往々あり、故に固執すべきではない。
晋人の風流は、老荘の道のような無為自然に“こだわる”をいう。
こだわることなく真に無為自然にして己に反ればこれもまた真理に通ず。
その達するところは宋人の道学と一なれども、半ばなる者は放縦に陥りて道理に背くこと往々あり。
いずれも固執せざるべきの言葉、儒学の極みを中庸と為す所以。

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