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孔子

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論語-里仁[4]

子曰く、
まことに仁を志せば、悪無きなり、と。

現代語訳・抄訳

孔子が言った。
少しでも仁を志せば、自然にして悪念の生ずる無し、と。

出典・参考・引用
久保天随著「漢文叢書第1冊」142-143/600
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孔子
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備考・解説

注に曰く、
苟は誠なり、志は心のく所なり、其の心誠に仁に在り、則ち必ず悪を為すの事無し、と。
大全に胡氏曰く、
苟の字に二義有り、苟且こうしょを以て言を為す者有り、苟合こうごう苟美こうびの類ひ是れなり。
誠実を以て言を為す者有り、此の章及び荀子の欲せざるの類ひ是れなり、と。
大全に朱子曰く、
仁を志す時にあたつては、便すなはち悪むこと無し。
若し間断して仁に志さざれば、時として悪又た生ず、と。
勉斎黄氏曰く、
人心ふたつながら用ひる可からず、此に志せば、必ず彼をわする、患ふる所の者は其の志無きのみ。
夫れ仁者は此の心の全徳、誠に仁を志さば、則ち必ず此の心、天理の公を存して、其の人欲の私を去る、悪念いづくよりして生ぜんや、と。
潜室陳氏曰く、
此れ君子小人の分るる路、猶ほ東に向ひて行く人の一心、東に向ひ去りて、復た回転して西に向ふの理有ること無きがごとし。
西に行く人も亦た然り、と。
楊氏曰く、
苟くも仁に志すも、未だ必ずしも過挙無きはあらざるなり。
然り而して悪を為すこと則ち無し、と。
大全に朱子曰く、
仁に志さば、則ち過差有りと雖も、之を悪と謂はず、惟だ其の仁に志さざる、是れ以て悪有るに至る、此の志の字は草々に看る可からず、と。
通書解に曰く、
心有りて理に悖るを悪と為す、心無くして理を失ふを過と為す、と。

語句解説

苟且(こうしょ)
その場かぎりの間に合わせ。一時逃れ。かりそめ。なおざり。
苟合(こうごう)
みだりに迎合すること。無責任にへつらうこと。
苟美(こうび)
まあ宜しい。いささか美し。
過挙(かきょ)
失敗。
過差(かさ)
あやまち、失敗。程度をこす。
草草(そうそう)
あわただしく苦労する様。あわてること。また、草木の盛んに繁る様。
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