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孔子

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論語-里仁[3]

子曰く、
惟だ仁者のみ、能く人を好み、能く人をにくむ、と。

現代語訳・抄訳

孔子が言った。
ただ仁者のみが、本当に人を好み、人をにくむことができる、と。

出典・参考・引用
久保天随著「漢文叢書第1冊」141-142/600
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論語
孔子
古典
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備考・解説

その心に私意無き故に好悪に偏り無くして天理に通ずというべし。

注に曰く、
惟の言ふことるや独なり。
蓋し私心無くして、然る後に好悪、理に当たる、程子の所謂其の公正を得るといふは是れなり、と。
大全に程子の曰く、
仁者は心を用ひるに公を以てす、故に能く人を好悪す、公は最も仁に近し、と。
朱子曰く、
程子の言、約して尽せり、公は心の正なり、正は理の得なり、一言の中、體用たいよう備はれり、と。
游氏曰く、
善を好みて悪をにくむは、天下の同情、然も人つねに其の正を失ふ者、心繁る所有りて、自ら克つこと能はざればなり。
惟だ仁者は私心無し、能く好悪する所以なり、と。
雲峯胡氏曰く、
好悪の心、人皆な之れ有り、独り仁者のみ之を能くす。
大学に曰く、唯だ仁者能く人を好み能く人をにくむと。
皆な須らく能の字を看るべし、好悪、理に当たり、始めて之を能くすと謂ふべし。
然らずんば能く好み能くにくむに非ざるなり、と。
蒙引に云く、
游氏の置いて圏外に在る所以の者は、心繁る所有りて自ら克つこと能はず、此の一語、其の善を知りて好むこと能はず、其の悪を知りてにくこと能はざると相ひ似たるを説くに似たり。
孔子の正意は是れ心既に私無ければ則ち善悪を見得ること十分明らかなり、従ひて之を好悪して自ずから正しからざること無きを説く、と。

語句解説

体用(たいよう)
物事の本体と、そこから生ずるところの作用。
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