1. 司馬遷 >
  2. 史記 >
  3. 列傳 >
  4. 李將軍列傳 >
  5. 7-8
  6. 19

司馬遷

このエントリーをはてなブックマークに追加

史記-列傳[李將軍列傳][7-8]

の右北平に居る、匈奴之を聞くや、号して漢の飛将軍なりと曰ひ、之を避けて数歳、敢えて右北平に入らず。
広、出でて狩するに、草中の石を見、以て虎と為して之を射る。
石にあたりてやじりを没するも、之を視るや石なり。
因りて復た更に之を射るも、終に復た石に入る能はず。
広の居所せし群に虎有るを聞くや、こころみに自ら之を射る。
右北平に居るに及びて虎を射るや、虎おどりて広をしょうすも、広も亦たつひに之を射殺せり。

現代語訳・抄訳

匈奴の度重なる侵攻を抑えるために、勇将で名高い李広を右北平に派遣された。
匈奴は李広を漢の飛将軍なりと称賛し、これを避けて数年、右北平へと入らなかった。
ある日、狩りをしていた李広は、草の中の石を虎と見誤って決死の覚悟でこれを射抜いた。
矢は見事に石にあたり、矢じりが突き刺さったのだが、改めて見ると石であった。
石に矢が刺さるものかと不思議に思った李広は、試しに何度か射てみたが、どうやっても刺さらなかった。
李広は虎がいると聞いて、試しにその虎を射てみんと考えた。
右北平に居た虎を射てみたところ、虎が躍り狂って襲いかかったので李広は負傷したが、李広の放った矢は見事に虎を射殺すに至ったという。

関連タグ
司馬遷
史記
出典
  • この項目には「1個」の関連ページがあります。
<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

語句解説

李広(りこう)
李広。前漢の武将。武勇に優れ、匈奴から「飛将軍」と呼ばれて恐れられた。一念岩をも通すの故事は有名。
<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

関連リンク

一念
一瞬の心、一瞬の生命のこと。心に深く思うこと、ひたむきな心。仏教…
史記
前漢の武帝の時代に司馬遷によって著述された歴史書。前91年に成立し…


Page Top