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朱熹

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近思録-存養[2]

伊川いせん先生曰く、
陽の始生しせいは甚だ微なり、安静にして後に能く長ず。
故にふくしょうに曰く、
先王以て至日しじつかんを閉づ、と。

現代語訳・抄訳

伊川いせん先生が言った。
陽の始生しせいは甚だ微なり、故に安静にして養い育て、然る後によく長じて盛んとなる。
故に易伝復卦の象伝にはこのように記されている。
先王は冬至に関門を閉じて往来を止む、と。

出典・参考・引用
久保天随著「漢文叢書第10冊」252/556,塚本哲三編「近思録・伝習録」90/478
関連タグ
近思録
朱熹
古典
程伊川
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備考・解説

復は一陽生ずるの卦。
秋より冬に至りて草木落ち、一陽復た地中に入りて萌え出づる。
陽気甚だ微にして耐えず、故に門を閉じて安静す。
安静を得てその精を養い、然る後に長じ、長じて後に顕る。
初動甚だ微なりと雖も、能く養い得て其の性全し。
大器晩成の所以なり。

朱子曰く、
一陽初めて復る、陽気甚だ微なり、労働すべからず。
故に当に安静にして以て微陽を養ふべし。
人の善端まさに萌すが如し、静にして以て之を養はんと欲す、方に能く盛大たり。
愚謂ふ、
天人の気、流通間無し、至日にかんを閉じて財成る、輔相の道は是に於いて見はるか、と。
注釈に曰く、
財成は、裁制して事をなすをいう。
輔相は、たすけたすくるなり。
天地の過ぎたるを制して、さばきなし、及ばざるをたすけてなさしむるをいう。
愚は、葉?の按なり。
天人の気は、流通して、少しも隔てなし。

語句解説

程伊川(ていいせん)
程伊川。北宋時代の人。兄の程明道とともに二程子と尊称される。窮理によって天理に帰すべしという思想を展開し、後に朱子学の根幹となった。
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