酔古堂剣掃-醒部[25]
原文
居盈滿者。如水之將溢未溢。切忌再加一滴。處危急者。如木之將折未折。切忌再加一搦。
書き下し文
切に再び一滴を加ふるを忌む。
危急に処る者は、木の将に折れんとして未だ折れざるが如し。
切に再び一
現代語訳・抄訳
富貴の極みに居る者は、水が溢れそうでなんとか溢れずにあるようなものである。
わずかでも節操を忘れば凋落に至る。
危難の極みに居る者は、木が折れそうでなんとか折れずにあるようなものである。
わずかでも他に頼れば滅亡に至る。
- 出典・参考・引用
- 塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」20/315
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備考・解説
満れば節を持するを忘れず、危うきには己を信ず。
折れそうなところに手を加えれば折れてしまう。
畢竟、自ら修復する以外に手立て無し。