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陸紹珩

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酔古堂剣掃-峭部[104]

草莽そうもうに生ずれば軽重無し、ろん、家庭に到れば是非無し。

現代語訳・抄訳

はかること世間に生ずれば、根本察せずして軽重無し。
論ずること家庭に到れば、自ずから定まりて是非無し。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」73/315
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酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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備考・解説

議は何をすべきかを図る意。
民間に生じたとき、多く人民は己の利を追求するが故に為すべきとする事が各々異なる。
また、目先のことにしか頭が回らない。
故に民間で議論させるは軽重無くしてその本を失う。
論は何が是で何が非かを解き明かす、わきまえる意。
自ずから定まるは二つ捉えられる。
一つは家庭に是非をわきまえるに到らば、世に是非の生ずる無し。
もう一つは孟子の所謂、父子の間は善を責めず、で家庭にあっては是非を論ぜざるをいう。
ただし、是非を論じないだけで、必ず己の善を以て善に導く。
故に論じて是非を決する必要はなく、自然にして善へと到るべきことをいう。

語句解説

草莽(そうもう)
草むら。いなか。転じて、民間・在野・世間の意。
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