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陸紹珩

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酔古堂剣掃-峭部[101]

官府かんふを論ずるよりは、帝王を論じて以て史臣ししん不逮ふていすにかず。
閨閫けいこんを論ずるよりは、艶麗えんれいを談じて以て風人ふうじんの遺されたるを補ふに如かず。

現代語訳・抄訳

役所を論ずるは、帝王を論じて史官の記録できぬところを為すに遠く及ばない。
婦女を論ずるは、故人の美徳清行を談じて詩人のいい遺したるを補うに遠く及ばない。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」73/315
関連タグ
酔古堂剣掃
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古典
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備考・解説

史官は事実を記す。
帝王のことは、その心持ちのあり方を論ず。
詩人は故事を詠ず。
艶麗えんれいを談ずるは、その故事を嘉する所以を論ず。
閨閫けいこんは内室の意。
今回はそのまま婦女と訳したが、内室にて礼法適うを考えればまた違う意を含むかもしれない。

語句解説

官府(かんふ)
役所。政府。
史臣(ししん)
史官。記録をつかさどる臣。
閨閫(けんこん)
女子の居る奥座敷のこと。内室。
艶麗(えんれい)
華やかで美しい様子。
風人(ふうじん)
ほのかに人を感化する人。また、詩人のこと。風流人。
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