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酔古堂剣掃-峭部[32]

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原文

執拗者福輕。而圓融之人。其祿必厚。操切者壽殀。而寛厚之士。其年必長。故君子不言命。養性即所以立命。亦不言天。盡人自可以回天。

書き下し文

執拗しつようの者は福軽く、而して円融えんゆうの人は其の禄必ず厚し。
操切そうせつの者は壽殀じゅようし、而して寛厚の士は其の年必ず長し。
故に君子は命を言はず、性を養ふは即ち命を立つる所以なり。
亦た天を言はず、人を尽くせば自ずから以て天をかへす可し。

現代語訳・抄訳

自己に拘泥して他を容れる度量のない者は福軽く、融和して円満なる人はその禄は必ず厚し。
余裕なくしてせっかちなる者は夭折し、心ひろく温厚なればその寿命は必ず長し。
故に君子は命を言わず、天を言わず、その性を養い命を立て、自らを尽くして天を易う。

出典・参考・引用
塚本哲三編「酔古堂劒掃・菜根譚」65/315
関連タグ
酔古堂剣掃
陸紹珩
古典
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語句解説

執拗(しつよう)
しつこいこと。頑固に自分の意見を押し通そうとすること。片意地。
円融(えんゆう)
なだらか。円く角がないこと。融和して妨げのないこと。
操切(そうせつ)
手心を加えずに厳しく扱うこと。
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