1. 呉起 >
  2. 呉子 >
  3. 圖國 >
  4. 3
  5. 4

呉起

このエントリーをはてなブックマークに追加

呉子-圖國[4]

呉子曰く、
凡そ国をおさめ軍を治むるには、必ず之に教ふるに禮を以てし、之を励ますに義を以てし、恥有らしむるなり。
れ人恥有る時は、大に在っては戦ふに足り、小に在っては守るに足る。
然れども戦って勝つは易く、守って勝つは難し。
故に曰く、天下の戦国、五たび勝つ者は禍なり、四たび勝つ者はやぶれ、三たび勝つ者は覇たり、二たび勝つ者は王たり、一たび勝つ者は帝たり。
是を以てしばしば勝ちて天下を得る者は稀に、以て亡ぶ者はおおし、と。

現代語訳・抄訳

呉子が言った。
およそ国をおさめ軍を治めるには、必ずこれに教えるに礼を以てし、これを励ますに義を以てし、恥を有らしめるのである。
人に恥が有る時は、大に在っては戦うに足り、小に在っては守るに足る。
しかしながら戦って勝つは容易いことなるも、守って勝つのは難しい。
故にこのような言葉がある。
天下の戦国、五たび勝つ者は禍であり、四たび勝つ者は疲弊し、三たび勝つ者は覇であり、二たび勝つ者は王であり、一たび勝つ者は帝であると。
つまりは幾たびも戦をして勝ちを得て、それで天下を得る者は稀なのであって、逆に亡ぶことになる者の方が多いのである、と。

関連タグ
呉子
呉起
古典
<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

備考・解説

制は枝葉を切り幹を治める意がある。
国をおさめと制を用いるのは、国と軍の関係から国が根本(幹)、軍はそこから出でるもの(枝葉)からかもしれない。
通常は枝葉を剪定することから、切り崩して治める意で用いるが、軍を治めとあるのでこの場合の制は単に治める意と解した。

<<  前のページ  |   ランダム   |  次のページ  >>

関連リンク

呉起
中国戦国時代の政治家。紀元前440-381年。兵法家として孫武と共に名…
礼。節操。分限。人の根幹であり、自らの心より発する自発的規範。部…
義とは自らの志より生ずる満足な決定であり、自分の心が命ずるゆくべ…
自らのあり方を省みて足らざる自分を知る心。人は恥によって自らを律…


Page Top