孝経[庶人]
原文
用天之道。因地之利。謹身節用。以養父母。此庶人之孝也。故自天子以下至於庶人。孝無終始。而患不及者。未之有也。
書き下し文
天の道を用ひ、地の利に因り、身を謹み用を節し、以て父母を養ふ、此れ庶人の孝なり。
故に天子より以下、庶人に至るまで、孝の終始無く、而して患ひ及ばざる者は、未だ之れ有らざるなり。
現代語訳・抄訳
天道は四時違えず、故に人はこれに則りこれを用いる。
地勢の豊饒に各々利あり、故に人はこれに則りこれに因る。
四時に違えず、地勢に適いて農事に勤め、身体万全にして節倹に努む。
このようにして父母を養うを得るは、庶民の孝である。
これら上は天子から下は庶民に至るまで、孝の道を全うせずして患いの及ばざる者を、私は未だかつて聞いたことがない。
- 出典・参考・引用
- 中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」22-25/88
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