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孝経[卿大夫]

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原文

非先王之法服。不敢服。非先王之法言。不敢道。非先王之德行。不敢行。是故。非法不言。非道不行。口無擇言。身無擇行。言滿天下。無口過。行滿天下。無怨惡。三者備矣。然後能保其録位。而守其宗廟。蓋卿大夫之孝也。詩云。夙夜匪懈。以事一人。

書き下し文

先王の法服ほうふくに非ざれば敢へて服せず、先王の法言に非ざれば敢へてはず、先王の徳行に非ざれば敢へて行はず。
是の故に法に非ざれば言はず、道に非ざれば行はず。
口に択言無く、身に択行たくこう無し。
言、天下に満ちて口過こうか無く、行、天下に満ちて怨悪えんお無し。
三者備へて、然る後にく其の禄位ろくいを保ち、而して其の宗廟そうびょうを守る、蓋し卿大夫けいたいふの孝なり。
詩に云ふ、
夙夜しゅくやおこたら、以て一人いちにんつかふ、と。

現代語訳・抄訳

礼儀に適いたる衣服に非ざれば敢えて服せず、礼儀に適いたる言葉に非ざれば敢えて言わず、徳行に根ざしたる行いに非ざれば敢えて行なわず。
この故に曖昧な言葉を発さず、妄りに為さずしてその為すべき所を定む。
言葉を発すれば天下に満ちて人々はこれを是とし、実行すれば天下に満ちて人々はこれを嘉す。
言行一致し表裏相応じ、民これを受けて喜ばざる無く、故によくその禄位を保ち、その宗廟を継ぎて絶やすこと無し。
これを卿大夫の孝という。
故に詩経の蒸民篇にはこのように詠われている。
常に己を修めて倦むこと無し、以て一人につかふ、と。

出典・参考・引用
中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」18-21/88
関連タグ
孝経
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古典
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語句解説

卿大夫士(けいたいふし)
家臣の三つの身分を卿大夫士という。上大夫(卿)、大夫、士で、卿は執政の大臣・高位者、大夫は部課の長、士は役人・下級官吏。
夙夜(しゅくや)
朝早くから夜遅くまで。一日中。常に。
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