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熊沢蕃山

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孝経小解-諸侯[4]

国君こくくん、富貴を離れては君の用なし。
謙徳を以て貴を保ち、仁政を以て富を保ち、富貴、その身を離れず、故に君の天命長じ、其の国土の神を祭りて社とし、五穀の神を祈りてしょくとす。
人民を養ふは土地と五穀なり、君は人民有るによりて君なり、人民のはなるる時は独夫どくふなり。
故に其の国をたもつを、社稷を保つと云へり。
社稷を保つことは民人をやはらぐるにあり。
やはらぐとは人民の心を得るなり。
上、父母たるの誠あれば、下、子のごとくなる実有り、人民とつづきたる時は、士以上をじんといひ、庶民をみんといふなり。
れ諸侯の宝三つ、土地、人民、政事といへり。
政の中に教へあり、学校の政とも云へり。
政教よく、人民やはらぎ、長く其の土地を保ちて先君につかへたまふは、諸侯の孝なり。

出典・参考・引用
中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」17/88
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