熊沢蕃山
孝経小解-諸侯[1]
諸侯は一国の上に居て、国の主、四海一国、皆な臣なり、民なり、おそるべきものなし。
一国の富、大なり、彼れ是れ以て驕り易し。
或いは才智を奢り、或いは年に奢りて、下の諫めをいれず、されば一国の才智を用ひて、一国を治むる道をしらず、我が才に自慢して、我が智有りとする時は、政令いたりて、人情事変にもとる事あり。
位に驕り、富におごり、智におごる、此の三つ有るときは、国、長久ならずして危く、諸侯の大不孝なり。
故に公侯の孝なるは其の位におらずして、国中の老人、
- 出典・参考・引用
- 中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」15/88
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