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熊沢蕃山

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孝経小解-天子[2]

其の親を愛敬すといえども、天下に一人も、にくみ、あなどる人ある時は、愛敬の全きを極めたるに非ず、尽すといひがたし。
天地の化育を助くる道に非ず、善をよみして、不能をめぐみ給ふは大君の親につかへ給ふに尽すの愛敬なり。
大君は天下の父母たり、人の親子しんしを愛すれば、愛の実あり実の備へは子の田宅、飲食、衣服等なり。
此の備へを、はからずして、ただ子を愛するは、犬馬を愛するが如し。
犬馬だに養ふべき物あり、人君、士民を愛し給へば愛の実あり。
実は仁政なり、仁政中の備へは、田畠でんはた、五穀、桑麻そうま、山林、川池せんち魚鳥ぎょちょう、牛馬等の政あり、仁政大ならでは、愛敬尽すといひがたし。
審らかなる事は或問わくもんに見えたり。

出典・参考・引用
中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」14/88
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