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孔子

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書経-周書[呂刑][5]

王曰く、
嗚呼、之をおもへ。
伯父はくふ伯兄はくけい仲叔ちゅうしゅく季弟きてい、幼子、童孫、皆な朕が言を聴け、こひねがはくば格命かくめい有らん。
なんじ慰するを日に勤めてもちひざることかれ、なんじ戒めて勤めざることかれ。
天は民をととのへ、我をして一日ならむ、終るに非ざるもれ終るも、人に在り。
なんじねがはくばつつしみて天命をむかへ、以て我れ一人に奉ぜよ。
おそると雖も畏る勿れ、やすむと雖も休む勿れ。
五刑つつしみ、以て三徳成る。
一人よろこび有らば、兆民ちょうみん之をこうぶる、其れやすれ永からん、と。

現代語訳・抄訳

穆王が言った。
ああ、これを想え。
我が同族の諸子よ、我が言葉を聴け。
我が言の天意に適うを望まん。
汝等、民を慰撫して日々勤むることを心掛けよ。
汝等、刑を施すに終始して慰撫の心を忘れてはならぬ。
天は民を整え、我にこの一日を授かれた。
来日の帰趨は未だ知らず、天命を継ぎてまた一日を得るも、天命に背きて今日で終えるも、その禍福終始は人に在り。
汝等、願わくばつつしみて天命を迎え、以て我を輔けよ。
畏るとも畏ること無かれ、休むとも休むこと無かれ。
ひたすら道を全うし、五刑をつつしみて三徳を成せ。
人主の慶びは天下万民これを享受する。
民を安じて天意に適わば、必ずやその治世は永きを得るであろう、と。

出典・参考・引用
林英吉著「五経講義」書経之部145/158,山井幹六述「尚書」315/348
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語句解説

伯父(はくふ)
父母の兄。伯母の夫。おじ。
伯兄(はくけい)
長兄。第一の兄。長幼を上から伯仲叔季という。
仲叔(ちゅうしゅく)
中兄。兄弟の順序を伯仲叔季といい、仲及び叔は真ん中。
季弟(きてい)
末弟。季は末年を指す。
格命(かくめい)
命が格(いた)る。神意の降格する意。
逆(ぎゃく)
逆の字形は反対方向から来る人を迎える形であり、故に「迎える」の意を持つ。
五刑(ごけい)
五種の刑罰。書経の呂刑に「入墨」「鼻切」「足切」「去勢」「死罪」とある(周代)。なお、時代によって内容は異なる場合がある。
三徳(さんとく)
三つの徳目。書経の洪範に「正直」「剛克」「柔克」。ほかに「知・仁・勇」や「天徳・地徳・人徳」を指す場合もある。
兆民(ちょうみん)
万民。多くの民。
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