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孔子

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書経-周書[呂刑][4]

王曰く、
ああ、四方にせいを司り獄をつかさどる、なんじ天牧てんぼくるに非ずや。
今、なんじ何をかかんがみる。
伯夷はくい、刑をひて之れみちびくに非ずや。
其れ今なんじ何をからさん。
苗民びょうみん、獄のくを察するにあらずや、吉人をえら五刑ちゅうを観するし。
れ庶に威され、貨に奪はれ、五刑を断制して、以て無辜むこを乱る、上帝ゆるさず、咎めを苗に降し、苗民、罰に辞無くして、乃ちの世を絶つ、と。

現代語訳・抄訳

穆王が言った。
ああ、四方の政治を司り、刑獄をつかさどる諸侯よ、汝等はこれを天より任ぜられたのではないのか。
今、汝等は何を以て鑑みるか。
鑑みるべきは、伯夷はくいが刑を布きて民を導きし所以の他に何があろうか。
それ今、汝等は何を懲らしめんとするか。
懲らしめんとすべきは、三苗氏の獄に付きて情を察せず、苛烈に過ぎたる所以の他に何があろうか。
三苗氏は善良の徳ある者を択びて刑獄を任せず、五刑ちゅうを観ることが無かった。
その治世は権威権勢に屈し、金銭賄賂にその中正は奪われ、故に五刑を制定してこれを断ぜんするも、苛烈に過ぎて罪無き者を裁くに至った。
上帝はこれを許さず、咎めを三苗氏に降した。
三苗氏はその罪を解くことを得ず、故にその子孫は途絶えたのである、と。

出典・参考・引用
林英吉著「五経講義」書経之部144/158,山井幹六述「尚書」314-315/348
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語句解説

天牧(てんぼく)
牧は州長のことで、人々を守り養う者。故に天に代わって人々を安んじ治める者を天牧という。
伯夷(はくい)
伯夷。舜によって秩宗を命じられ三礼を司った。書経舜典。周初の伯夷・叔斉の伯夷とは別人。
苗族(なえぞく)
苗族。三苗、尤苗などと呼ばれる。蚩尤が討伐されて分化したという。
五刑(ごけい)
五種の刑罰。書経の呂刑に「入墨」「鼻切」「足切」「去勢」「死罪」とある(周代)。なお、時代によって内容は異なる場合がある。
断制(だんせい)
裁き治める。制度などを取り決める。処置する。
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