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熊沢蕃山

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孝経小解-開宗明義[12]

孝の生理、情にあらはれて愛敬となる。
子生まれて母の懐中に育ち、父の膝に抱かれて、神の知を開くにしたがひて、父母を愛する心生ず。
花のつぼみの、はつかに、火とほしたるがごとし。
漸々ぜんぜん神知開きて、子の心に親を敬する心生ずる、花の漸漸ぜんぜんほころびて、清香せいこうを発するがごとし。
心の愛敬、親に始めて発するゆえに、親につかふるに始まり、とのたまふ。
五倫相愛敬して孝なれども、本分の名なるゆえに、親につかふるを孝といへり。
故に、経には五倫皆な孝なる道理を説き給へり。

出典・参考・引用
中江藤樹訳、熊沢蕃山(伯継)述「孝経」11/88
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古典
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備考・解説

楊慈湖曰く、
身體髪膚しんたいはっぷを以て己と為し、之れを父母に受くるを知らず。
孔子是に於いて其の私有の窟宅くつたくを破り、而して其の本然の太公に復す。
人は己より切なるなく、己より愛するはなし。
其の己を愛するに因りて、而して之を啓くる之を父母より受くるを以てす、則ち愛公に出づ。
其の肯て毀傷せざるに因りて、而して輬じて敢へてせずと曰ふ。
則ち公にして私せず、因りて而してもとらず。

語句解説

窟宅(くつたく)
ほら穴を住居とすること。
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