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戴聖

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礼記-雑記下[122]

君子に三患さんかん有り。
未だ之れを聞かざれば、聞くを得ざるを患ふるなり。
既に之れを聞かば、学ぶを得ざるを患ふるなり。
既に之れを学ぶれば、行ふあたはざるを患ふるなり。
君子に五恥ごち有り。
其の位に居りて、其の言無しは、君子之れを恥ず。
其の言有りて、其の行無しは、君子之れを恥ず。
既に之れを得て又た之れを失ふ、君子之れを恥ず。
あまり有りて民足らず、君子之れを恥ず。
衆寡しゅうかひとしくしてそむく、君子之れを恥ず。

現代語訳・抄訳

道を志す君子には三つの患うべき事がある。
未だ道を聞かざれば、聞くを得ざることを患うのである。
既に聞くを得たならば、学ぶを得ざることを患うのである。
既に学ぶを得たならば、行なえずして未だ足らざる自分を患うのである。
政治を志す君子には五つの恥じるべき事がある。
然るべき位に有りて、然るべき言葉が無ければ、君子はこれを恥じるのである。
然るべき言葉有るも、実際が伴わねば、君子はこれを恥じるのである。
志によりて国を導くも、得失生じて定まらざれば、君子はこれを恥じるのである。
国土が余りあるに、民少なきは、君子はこれを恥じるのである。
国と民の相均しきを得るも、これを全うすること叶わざれば、君子はこれを恥じるのである。

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礼記
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古典
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語句解説

衆寡(しゅうか)
人数の多いことと少ないこと。多勢と無勢。
倍(ばい)
ます、ばいまし、ふえる。ますます、いよいよ。背・陪と通じ、そむく、はなれる、わける、もとる、そらよみ。
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関連リンク

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