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孔子

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論語-憲問[1]

、恥を問ふ。
子曰く、
邦に道有らば、こくす。
邦に道無くして、穀すは、恥なり、と。
こくばつえんよくを行はざる、以て仁と為すきか、と。
子曰く、
以て難しと為すし、仁は則ち吾れ知らざるなり、と。

現代語訳・抄訳

原憲が恥を問うた。
孔子が言った。
国が治まりて正道なれば、その禄を受けるは恥に非ず。
然れども、国が乱れて無道なるに、その禄を受けるは、恥である、と。
原憲が問うた。
人にちて勝らんする心、自らを誇示しほこらんとする心、怨み不平を抱く心、貪欲なるの心、これらを制して心から去れば、仁と為すに十分でしょうか、と。
孔子が言った。
いずれも難しいことではある。
然れども、仁と為すに十分であるかは、それだけでは分からない、と。

出典・参考・引用
簡野道明著「論語解義」220-221/258
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備考・解説

克伐怨欲を去るは私を去るなり。
仁は私を去りて道を立つなり。
万物育すは仁の道なり。
克伐怨欲を去らば、仁に至るの道に立つを得。
されど仁と為すに足るかは未だ知らず。

語句解説

原憲(げんけん)
原憲。春秋時代の魯の人。孔子の門人。字は子思。原思とも呼ばれる。節を守り貧しくして道を楽しむとあり、清貧で知られた。「原憲の貧」の故事がある。
穀す(こくす)
俸禄の意。
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