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後漢書-列傳[宣張二王杜郭吳承鄭趙列傳][48]

温、字は子柔、初め京兆けいちょう郡丞ぐんじょうと為る。
歎じて曰く、
大丈夫当に雄飛すべし、いづくんぞ能く雌伏せん、と。
遂に官を棄てて去る。
歳に大飢に遭ふ、家糧を散じ以て窮餓きゅうがすくひ、活かす所は萬余人。
献帝、西に遷都す、侍中じちゅうと為り、輿輦よれんともに長安に至る、江南亭侯に封ぜらる、楊彪に代りて司空しくうと為る、免ぜらる、頃之けいし、復た司徒しとと為る、尚書しょうしょの事を録す。

現代語訳・抄訳

張温は字を子柔といい、初め京兆の郡丞となったが、意に適すことなく歎じて云った。
大丈夫たらば雄々しく生きねばならぬ、どうしていつまでも雌伏したままでいられようか、と。
そうして遂に官を棄てて去ってしまった。
ある年に大飢饉が起った。
張温は飢えた人々に食糧を与え、万余に及ぶ人々を救った。
献帝が西に遷都した。
張温は侍中となり、車駕と共に長安に至った。
江南亭侯に封ぜられ、楊彪に代わって司空と為り、やがて免職された。
またしばらくすると司徒に任じられ、尚書の職務も司ったという。

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語句解説

京兆(けいちょう)
みやこ。また、京兆地方を治めた長官である京兆尹を指す場合もある。
郡丞(ぐんじょう)
群守の輔佐。
雄飛(ゆうひ)
意気盛んに勇ましく活動すること。
窮餓(きゅうが)
飢えること。飢餓に窮しむ。
侍中(じちゅう)
宮中の官。漢代の官名で、主君の左右に仕える相談役。
輿輦(よれん)
天子の車。輿はのせてはこぶくるま、輦はてぐるまの意。
司空(しくう)
土地、民事を司る官名。また、周代六卿の一つ、後漢以後、隋・唐の三公の一つ。
頃之(けいし)
しばらくして。頃刻。
司徒(しと)
周代の官名。六卿の一つ。教育、民政を司る。後漢以後、隋・唐の三公のひとつ。
尚書(しょうしょ)
中国の官名。当初は文書を司る職であったが、後に中央政府の中枢機関となる。尚、書経の別名も「尚書」と書く。
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