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曾先之

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十八史略-東漢[世祖光武皇帝][耿弇]

劉永が立つる所の斉王張歩降る。
、初め歩を以て東莱とうらいの太守と為す、すでにして永が命を受けて斉に王たり。
将軍耿弇こうえんしばしば戦ひて大ひに之を破り、祝阿、斉南、臨淄りんしを抜く。
車駕しゃが、臨淄に至りて軍を労ひ、弇に謂ひて曰く、
将軍、前に南陽に在りて大策を建つ、嘗て以為かつてらく落落として合ひ難しと。
志有る者は事つひに成るなり、と。
歩敗す、斉の地ことごとく平らぐ。

現代語訳・抄訳

梁の劉永に擁立された斉王の張歩が降服した。
光武帝は初め張歩を東莱の太守としたが、張歩は劉永によって斉王に封じられて敵対した。
そこで光武帝は耿弇を派遣して攻略させ、斉の諸城を奪った。
斉の都である臨淄が落ちると、光武帝は軍をねぎらって耿弇に云った。
将軍が南陽に在りし頃、斉平定の大策を建言したことがあるが、その時はあまりにも大それた志だと思って我には容れることができなかった。
志有る者は成し遂げられるというが、正にその通りであるな、と。
それから間もなくして張歩は敗れ、斉の地は尽く平定された。

出典・参考・引用
早稲田大学編輯部編「漢籍国字解全書」(第36-37巻)184/306
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十八史略
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古典
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語句解説

劉秀(りゅうしゅう)
劉秀。後漢の始祖。光武帝。文武両道、民衆に親しまれ、その治世は古の三代にも匹敵したとされる。名君の代表として有名。
耿弇(こうえん)
耿弇。後漢創業の功臣。用兵に優れ向かうところ敵無し。斉平定を成し遂げ「志有らば事はついに成るものだ」と感嘆せしめた。
車駕(しゃが)
天子の乗物。天子が車で出かけること。転じて天子の敬称としても用いる。
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