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林子平

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学則[5]

一、克己復禮の二言、能く辯へ勤むべし。
克己こくきは己に勝つと云ふ事なり、己とは人慾の私にて手前勝手なる事是れなり。
此れ己を押除る事克己なり。
復禮は慾に勝て、道義に叶ふ様にする事なり。
事物に皆な禮不禮あり。
一々顧るべし。
或ひは妄りに怒気発する時など、何故此の如く怒気至るやと顧れば、元より私の我儘より起る疾なれば、一たび顧みて忽ち消散するなり。
尤も是等の処、大に勇を用ふる所なり。

出典・参考・引用
林子平著・伊勢斎助編「前哲六無斎遺草」51/82
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