孔鮒
孔叢子-刑論第四[6]
曾子獄を聴くの術を問ふ。
孔子曰く、
その大法に三有り、治むるに必ず寛を以てし、之を寛するの術は察に帰し、之を察するの術は義に帰す。
是の故に聴きて寛ならざれば是れ乱なり、寛にして察せざれば是れ慢なり、察して義に
私すれば則ち民怨む、故に善く聴く者、
書に曰く、上下罰を比して、
現代語訳・抄訳
曾子が訴えを聴くの術を問うた。
孔子が云った。
訴えを聴くに三つの大法がある。
治めるに寛容を旨とし、寛容を以てするの術は明察なるに帰し、明察なるの術は義に由ることに帰す。
この故に訴えを聴きて寛容ならざればこれを乱といい、寛容にして明察ならざればこれを慢といい、明察なれども義に
私心を以て決すれば民は怨む。
故に善く聴く者は、辞を越えず、辞を越えずして情を離れず、情を離れずして義に背かず。
故に書経に曰く、
罰の上下を比して、
- 出典・参考・引用
- 二条基弘・東久世通禧著「孔子之聖訓」177/192
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語句解説
- 曾子(そうし)
- 曾子。曾参。春秋時代の思想家。字は子輿。孔子の弟子。孝行で知られ、「孝経」を著したとされる。
- 孔子(こうし)
- 孔子。春秋時代の思想家。儒教の始祖。諸国遊説するも容れられず多数の子弟を教化した。その言行録である論語は有名。
- 僣乱(せんらん)
- 僭乱。上下の秩序を乱すこと。
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