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司馬遷

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史記-列傳[儒林列傳][12]

今、上、初めて位に即き、復た賢良を以て固を徴す。
諸の諛儒ゆじゅ多く固をにくみ毀りて曰く、
固は老ゆ、之を罷めて帰せよ、と。
時に固すでに九十余なり。
固のさるるや、せつ人・公孫弘も亦た徴され、目をそばだてて固を視る。
固曰く、
公孫子、正学を務めて以て言へ、曲学以て世に阿る無かれ、と。
是れよりの後、斉の詩を言ふは皆、轅固生に本づく。
諸の斉人の詩を以て顕貴なるは、皆固の弟子なり。

現代語訳・抄訳

前漢の武帝が即位したばかりの頃である。
賢良方正を広く求めていた武帝は、久しく官を辞していた轅固生の賢を聞いて再び登用した。
これを知った批判することしか知らない学者連中が謗って云った。
轅固生は既に年老いているからさっさと辞めさせた方がよい、と。
既に九十を超えていたのである。
轅固生が登用された時、同じ斉の人である公孫弘も共に登用されていた。
公孫弘が轅固生を横目で怪しみながらみていると、轅固生が云った。
公孫子よ、正しきを知っているならば正しきままに述べるべきである。
世に受け入れられ易いからと言って、正しきを曲げ、主上や民の人気取りをするようなことをしてはいけない、と。
これより後の斉において詩を詠じる者は、皆な轅固生を手本とし、また当時の斉における多くの著名な詩人は、皆な轅固生の門弟であったという。

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語句解説

賢良方正(けんりょうほうせい)
賢良。漢代の官吏登用科目の一つ。才能・人格の優れた者を諸侯や郡太守が推薦し、国政に参与させた。
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