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孔子

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詩経-大雅[文王之什][文王.1]

・詩序
文王は、文王の命を受けて周を作るなり。
・詩文
文王は上に在りああ天にあきらかなり。
周は旧邦きゅうほうなりと雖も、其の命れ新たなり。
有周うしゅう顕かならざらんや、帝命、時ならざらんや。
文王は陟降ちょっこうして、帝の左右に在り。

現代語訳・抄訳

・詩序
この文王の篇は、文王が天命によりて西伯となり、周室を興したるを詠う。
・詩文
文王は吾らの上に在り、ああ、その徳は天に通ず。
周は千幾年も続く旧き国、その徳に由りてついに天命を得ん。
有周の徳は顕らかなり、天の命は是れに応ず。
文王の徳は天地を巡り、常に天帝の側に臨むが如し。

出典・参考・引用
根本通明著「詩経講義」第二冊下85-86/237
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語句解説

文王(ぶんおう)
文王。周の武王の父で西伯とも呼ばれる。仁政によって多くの諸侯が従い、天下の三分の二を治めたという。
上に在り(かみにあり)
人民の上にあるという意と徳が上に通ずという意の両方とれる。
于(う)
~において。大きい。遠い。ため。なす。
旧邦(きゅうほう)
周の始祖は后稷という伝説上の人物で文王はその十四代目であるから古代からの旧い国である。尚、文王が没して後の十五代目の武王の代に天下を取った。
顕かならざらんや(あきらかならざらんや)
白文には「不顕」とある。そのまま訳すと「顕らかならず」となってしまうが、文章にあった意に解釈する。孟子に云う「詩を説く者は文(文字)を以て辞(文章)を害はず」と。次の「時ならざらんや」も白文では「不時」であるが同様に解する。
陟降(ちょっこう)
天にのぼったり地上にくだったりすること。
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