釈迦
法華経-方便品[1]
諸佛の智慧は
現代語訳・抄訳
その時、世尊は三昧より安詳として起ち、舎利弗に告げて云った。
諸々の仏の智慧は深遠にして無量、その智慧の門は解し難く入り難く、如何なる
それが何故かといえば、仏かつて百千万億、無数の諸仏に親近し、尽く諸仏無量の道法を実践し、勇猛精進せし所作の普く聞こえるところ、深遠にして未曾有の法を成就するも、その義のままに説くところ、その意趣解し難ければなり。
- 出典・参考・引用
- 佐藤隆豊訳「大乗法華経」27/163,南条文雄「新訳法華経」50/300
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語句解説
- 三昧(ざんまい)
- 定にして動かさざる状態。心の集中。
- 安詳(あんじょう)
- ゆったりとして落ち着いている様子。註には「その出定の貌、安穏詳密なるをいう」とある。
- 舎利弗(しゃりほつ)
- 舎利弗。釈迦の十大弟子のひとりで舎利子。智慧第一といわれた。
- 甚深(じんしん)
- 深くて神秘。深遠なこと。古くは「じんじん」と読む。
- 声聞(しょうもん)
- 仏の教えに従って修行し真理へと達する者。後に、個人的な解脱を目的として修行する者を指すようになった。なお、「せいぶん」と読む場合は別の意。
- 辟支仏(びゃくしぶつ)
- 縁覚。独覚。師なくして真理を悟った人。他の縁によって真理に達した人。ただし自己にとどまり他を救わぬ故に菩薩の下、声聞の上とされる。
- 意趣(いしゅ)
- 心の向かうところ。意向。
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